宗教法人西徳寺 西徳寺保育園理事長 浄土真宗本願寺派 西徳寺住職 篠田尊徳
人間の存在には、そこに存在していること自体を表す「ある」と、何かが出来るという 「する」という2つの側面があります。 現代社会の「ものさし」では、学歴や成果・成績という「する」面のみが評価され、ただそこに「居る」「ある」ということを受け止めてくれる場所はなかなかありません。何かが出来なければ認められない世界では、人は常に追い立てられ本当の安心、安らぎはありません。今、ここに私が「居る」「ある」ことを全面的に受け止められる時、そこに「居場所」が出来ます。自分の「居場所」を見つけた人は、本来の自分を輝かせ、のびのびと生きていくことが出来ます。 私たちの存在を全面的に受け止めて下さるはたらきを「阿弥陀さま」といいます。 阿弥陀さまの「いつでも、どこでも、あなたのことを見守っているよ。大丈夫だから精一杯できることをしてごらん」という喚び声を根本にする保育を、「まことの保育」といい、西徳寺保育園はこの「まことの保育」を園全体の願いとして、日々の保育と職員研修に励んでいます。西徳寺保育園の鐘の音は、ここを子ども達が本当に安心できる「居場所」にしたいという願いをもって、今日も直方の空に響き渡っています。
宗教法人西徳寺 西徳寺保育園園長 安部 克子
直方市のお隣、宮若市本城のあるお宅の裏に小さな山があります。春にはみんなで、たけのこ狩りに行きます。夏は生い茂る草を刈ってダンボールで草スキーです。小さな山といっても子どもたちにとっては大冒険の舞台です。しっかりバランスをとっておかないと斜面ではバランスを崩してすべってしまいます。きれいなアザミや野ばらの花にはチクチクのとげがあります。ミミズも藪蚊も蜘蛛もいます。でも、子どもたちは山での遊びが大好きになります。ありがたいことに直方市の近郊には多くの里山が残っていて、小さな命たちの営みがあります。 直方市植木の田んぼや畑をお借りして、米や大豆、芋や大根を作っています。子どもたちも手や足を泥んこにして、種や稲苗を植えます。毎日、私たちが口にする作物も命の一部です。自分たちで育て、収穫すると、子どもたちは自然とこれらの食べものを食べるようになります。残さず食べるようになります。そうして初めて、命をいただくことへ感謝することを教えます。 本園では「西徳寺流 なんでも知ろう なんでも触ろう 体験型保育」を合言葉にしてきました。5歳までの今まさになんでも吸収して、人間の素地が作られている子どもたちには、自分の五感で様々なことを感じてほしいと思います。体験してほしいと思います。いずれそれが、生きた知識となり、感謝の気持ちをもてる人への成長の一助となりますことを願っています。
宗教法人西徳寺 西徳寺保育園 所在地:福岡県直方市大字山部540 Tel:0949-28-4154 Fax:0949-28-4155